3rd QUATER

40代。人生後半戦。そろそろ本気で楽しめ。

急転!オストメイトへ③

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いよいよ入院。いよいよ手術。でも正直なんだか実感がわかない。「これ、本当に自分の体の話なんだろうか?」と・・・。一方で「他人事じゃだめ。しっかり受け入れなきゃ」と思う自分もいて、Webで人工肛門について調べたりもしました。いろんな記事見たけど、仕事や趣味、運動、食生活や性生活、色々な場面で大きな支障はないという論調が多かったから、根拠なしに前向きな気持ちはあったかもしれません。

 

そもそも今回自分が当事者になるまで、私は「人工肛門」というのを理解していませんでした。「人工」っていう言葉から想像すると、義手・義足のように失われた機能を補うものって言うイメージじゃないですか。だから切断する直腸の機能を果たす精密な道具が体内(お尻の中)に埋め込まれるようなものを想像してたんですね。恥ずかしながら。

 

でも実際は結構原始的。直腸をカットして短くなった大腸の先端を下腹部から体表に出してそこから排泄。便意などなく、排便を自制できないから「便受け」の袋を肌に接着させてぶら下げておく。袋が便でいっぱいになったらトイレに捨てる。袋の耐久性が持たなくなったら袋を交換する。手術ではロボット技術を使うと言うのに、なんだか術後の生活に地味さを覚えてしまったのは私だけでしょうか・・・。

 

まぁ、どう感じようと治すためには、この道しかない。そういう体でそういう生活をするしかないわけで、そのための手術を受けるべく、私は入院日を迎えました。

 

 

試練の9月下旬

9月21日 再入院

まぁ、再入院というか「本入院」の方が近いかな。生検のときは「仮入院」みたいなもんだったから。今回の入院は長引くよ、ということは主治医に聞いてました。いくらロボット補助を使った腹腔鏡手術だとしても、回復にはそれなりの時間がかかるんだって。短くても3週間くらい見ておいて、と。

 

会社に休みを申告するにあたって主治医に診断書を出してもらったんだけど、そこでは「10月11日まで入院」と記されていました。ちょうど20日間。生検のとき、たった3日間でもいろいろあった入院生活を20日間もするのか・・・。

 

4連休の3日目。お昼頃、妻とともに結構な荷物を抱えて病院へ。まだ暑いからTシャツに短パン、湘南スタイル。退院時の気温なんて頭にないさ。(笑)

 

入院受付は午後から。好きなもの食べられるのも入院するまでだから、道中寄り道して昼食は夫婦でラーメンを食す(藤沢駅「麺屋おはな」)。入院荷物として持ってた円座クッションをラーメン屋で使えたのはよかった。(笑)

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病院到着。祝日だから入院の事務受付はスルー。そのまま生検の時と同じ病棟へ。病棟内の説明・案内・同意書の取り交わしや体重測定なんかもほとんど生検の時と同じ。最後に病室に案内されて完了。妻も帰宅し、いよいよコロナ禍の孤独な「本入院」生活が開始されました。

 

9月22日 ストーマ造設位置の確定と手術準備

いよいよ手術前日。主治医からも手術の確認があったり、手術中に身につけるふんどしみたいなやつを院内の売店に買いに行ったり・・・。

 

中でも重要だったのは、手術にあたって、ストーマ(人工肛門=大腸の先端)の位置を決める作業ね。これは先生じゃなくてストーマ専門の看護師さんによるもの。同じフロアの個室でベッドに横になり、お腹にたくさん線を引かれました。いろいろな姿勢をしてシワのより方を確認したり、だいたい普段着のベルトの位置を想定したりで、より支障のない位置を「候補」としてマジックで印をつける作業でした。

 

最初、私の体は若手の看護師さんの練習台になっていましたが、最後、専門看護師により微調整がなされ一安心。いろいろ引かれた線は最後に消され、第一候補〜第四候補までの造設位置だけが残りました。写真、「私から見て」左下が第一候補。続いて左上が第二候補でした。汚い腹をスイマセン。

 

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15時ごろ、看護師さんがきて、検温。午前中も37度超えだったけど、今回も37度ジャスト。看護師さんは気にもとめてない。これ平熱の範囲なのか? ま、いっか。手術中止になったら次、いつできるかわからないし。

 

看護師さんはさらに大きな紙コップを出して、明日の手術のために下剤を飲むように指示。生検の時にも飲んだ甘いジュースみたいなやつ。やっぱり手術時に腸内はできるだけ綺麗に、というのが定石ですよね。そして、あっというまに完飲。

 

ついでに看護師さんに聞かれた質問。「手術後はICU(集中治療室)に入るっていう説明は聞いてますよね?」・・・おいおい全然初耳。なんか「ICU」って聞くと深刻なイメージなんだよな。じいちゃん死んだ時思い出すし。まぁ、すぐ移動できるんだろうけど念のためLINEで嫁さんに伝えておく。一応手術当日も付き添いが一人必要となっていて、妻が同席してくれることになってたから。

 

その後、夕食を普通にとって、食後は売店でプリンを買い食いし、この体で摂る最後の食事でプチ贅沢を堪能。食後は下剤が効いてきたのかコンスタントに便通が。手術前に出てくれてよかった。そして、肛門を経由する最後の便通。我が直腸、我が肛門、40年以上も私の排便を支えてくれてありがとう。

 

9月23日 手術当日

とうとう迎えた手術当日。気になった検温は36.4度。異常なし。順番的に朝一番のため遅延はない。ICUに移動するので荷物をざっくりまとめて準備完了。すでに院に到着して病棟のパブリックスペースで待つ妻と合流。携帯やら財布やら貴重品は全部妻に預けて手術室フロアへ。妻とはここでおわかれ。「頑張ってね」

 

手術室に入る前に簡単な質問。自分の名前。体のどの部分の手術を受けるか。目の前にも同じような人たちがたくさんいる。みんな手術を受けるんだな。あんなおばあちゃんも頑張るってんだから俺も頑張らねば・・・。そして、いざ手術室へ。

 

生検の時と同じように手術室中央の台に乗せられる。前回はうつ伏せだったけど今度は仰向け。先に術後の痛み止めに向けて背中に糸のような麻酔の線をセット。全然痛くない。そして全身麻酔へ。でっかいマスクみたいなやつを当てられたと思ったら、あっというまに眠りの中へ・・・。

 

・・・

 

次の瞬間、目が覚めたと思ったら手術が終わっていました。「現在午後5時です」と教えてくれる声が聞こえる。そこで初めて手術を受けていたことを思い出す。と同時にとんでもない激痛がお尻全体を襲っている。「お尻が痛いです」と思わずアピール。術前のそれとは全然性質が違うけれど、激痛は激痛。ひとまずそのままにしてICUへベッドごと搬送される自分。

 

ICUにつくとお尻の痛みの他に猛烈な吐き気に襲われ、あっというまに限界値寸前。たぶん麻酔の影響でしょう。「気持ち悪いです。吐きそうです!」という訴えにICUの看護師が嘔吐するための容器を持ってきてくれたのでいざ嘔吐! と思ったけど、吐こうとしてお腹に力を入れた瞬間、手術で穴を開けたばかりのお腹が激痛!これじゃ吐くための力も入らない。めちゃくちゃ気持ち悪いけど吐くこともできない。生き地獄。

 

すぐさま看護師さんは「吐き気止め」の点滴を用意。お尻の痛み止めも用意してくれ、なんとか落ち着きを取り戻す。そんなこんなのさなか、妻がICUの病室に入ってきてくれました。後から聞いた話だけど、看護師さんから「(私が術後)気持ち悪いみたいです」と聞いてたらしく、あっさりと「お疲れさま」とだけいって帰って行きました。

 

少し冷静になった頭で状況を把握する。ひとまず、手術が終わって人工肛門になっている。目で見て確認はできないけど、左下腹部になんかついてる。たぶん装具だね。そして身体中いたるところに多数繋がれた管があるせいで自分で自由に動くことはできない。つまり寝たきりってことね。まぁ、ICUなんだから当たり前か。お尻の痛みはさっき点滴された痛み止めが効いている。さっきの激痛は思い出したくないけど、直腸丸ごと取り出しちゃったんだから当たり前だよな、と納得する。

 

部屋に時計はないけど、さっき「午後5時」って言ってたから今の時間は遅くともまだ夕方6時か。消灯までは3時間はあるし朝までは12時間ある。生検のときのように痛いけど動けないという地獄の夜が待っているのかと思うと恐怖を感じる。なんとかそういった気持ちを表現したかったのですが、看護師さんにはうまく話せず、なんと口にしたのは「退屈です」の一言。おいおい・・・。どんだけ図々しいんだよ。笑

 

それに真面目に答えてくれるICUの男性看護師。なんとラジカセを持ってきてFMをつけてくれた。「一台だけあるんですよ。FM横浜しかかからないんですけど」ICUでFM。斬新。新鮮。あっというまに消灯時間を迎えられた。これから眠れない夜が続くのかと思ったけどいらぬ心配。念のため睡眠導入剤を点滴してもらったら、あっという間に夢の中。気がついたら朝6時でした。ただ、なんだか不思議な夢を見ました。火曜サスペンス的な2時間ドラマのような推理物ね。同性愛がキーワードだったことだけ覚えてる。笑

 

9月24日 術後1日目 歩行への執着

目覚めてすぐ、例の男性看護師がFMをつけてくれました。携帯を預けた妻が、昨日そのまま帰宅しているから、暇つぶしがないんだよね。ひょっとして普通の人は、術後の面会で携帯くらいは同伴者から受け取るのかな・・・。

 

しばらくは食事もないし、携帯もない。FM聞いてるか、寝てるか、考え事してるか、ぼーっとしてるかの4択しかない。まぁ、看護師さんからミッションがあれば別だけどね。

 

主治医が回診にきてくださり、手術では予定通り周辺のリンパ節も含めて綺麗に取ることができたということでした。ありがとうございます。あとは術後の合併症を起こさないように私が頑張る番ですね。

 

そんなこんなしているうちに、看護師長さんが来られて、専門学校の実習生が手術患者の担当に着くそうで、一人が私の担当になるという話がありました。その後、学校教員とともに学生本人も来られて、寝ている私に読み聞かせをするように同意書を朗読してくれました。正直、体調的にはそれどころじゃないんだけど、まぁ仕方あるまい。これ、断る空気じゃないし。

 

その後、看護師さんが体を拭いてくれたり、「お下」を清潔にしてくれたりするということで身を任せていましたが、右下腹部に刺さっている管(ドレーン)2本のせいなのか、体幹の右半分が超過敏になっていました。少し触っただけでもビクって反応して、そこで無駄な力が入って手術の傷跡が痛むという悪循環。

 

看護師さんや、お手伝いしている実習生は私のお腹を触れなくなってしまったため、お腹の右側を避けて可能な部分だけ体を拭いてもらいました。管が変な神経に触れてないといいんだけど・・・。

 

午後になって、リハビリのお話がありました。自分自身、動けないことが苦痛だし、いち早く自力で動けるようになりたい!寝たきりは糞食らえ!というくらいの考えなので、「ぜひ歩きたい」という意向は看護師さんに伝えました。するとリハビリのPT(理学療法士)さんがわざわざきてくれて、立って歩けるようサポートをしてくださりました。

 

まず、管がたくさん繋がったまま立ち上がるのが大変。そしてずっと寝たきりだったところから歩こうとすると、ただでさえ低めの血圧が立ちはだかります。なんとか肩を支えてもらいながら、ICU病室周辺を数分間、二足歩行の生物としてあるべき姿勢で動くことができました。PTの先生曰く、今でも十分痛いと思うけど、ほんの数年前は開腹手術しか手段がなくて、手術翌日に立ち上がるなんてありえない話だったんだとか。そらそうだわな。

 

歩いてみての感想は、やっぱり「お腹の2本の管(ドレーン)が邪魔」ってこと。すごい重いし、動きによってはこいつらが痛みを誘発してくる。お腹に石を詰められた狼の気持ち。これがなければだいぶ違うんだけどな。まぁ、何はともあれ、束の間の2足歩行の時間が終了となりました。

 

夕方、再度主治医が回診に来られ、少し歩いたことを伝えると「素晴らしい!」と絶賛。どうやら合併症として多発する腸閉塞予防には、手術翌日に歩けるかどうかは大きいそうです。腸が活発になってくれるそうです。・・・それ、先に言ってくれればよかったのに・・・。リハビリ怠けないでよかったよ。

 

あと、この日から痛み止めや睡眠導入剤などお薬が点滴から内服に変わりました。点滴は効きが早いけど、効果が急らしい。逆に内服はゆっくり長く効くらしい。なるほどね。

 

 

9月25日 術後2日目 一般病棟へ帰還

とはいえ、夜は結構お尻の痛みがおさまらずに安眠には至らず。甘くないね。そして不意打ちの咳払いではお腹に激痛。このダブルパンチは結構深刻でした。ただこれまでと違って、我慢して乗り越えれば、症状がよくなる類の痛みだからね。今までの単なる苦痛とは違う。そこに意義を見いだせれば頑張れる気がします。

 

さらにこの日は一般病棟に戻れると聞いて若干前のめり気味。病院側から妻にもその旨連絡が入っているらしく、貴重品を持って妻も来院するとのこと。気合い入れねば。

 

午前中のうちにストーマ専門看護師さんによる、装具(パウチ)交換がありました。まだ便は出てないけど装具の耐久度から考えて2日に一度交換しなきゃいけないらしい。ここで初めて装具無しの自分のストーマを見るチャンスがあったわけですが、寝た姿勢で見にくいのと、単純に直視する勇気がなくてあんまりじっくり見れませんでした。ただ、看護師さんはストーマを綺麗にあわ立てて洗ってくれていたようです。感謝感謝。新しい装具も装着して万事完了。

 

お昼間際に前日のPTの先生が来られました。「今日は自分の足でエレベータに乗って一般病棟に戻りましょう!」という話になりました。私も俄然やる気。実習生も目の前にいる。昨日は実習生に右のお腹が過敏になって、どうしようもなかったところしか見せれていないし。

 

しかし・・・。昨日と同じくベッドから立ち上がろうと、まずベッドの上で座位姿勢をとったところで、血圧が一向に上がらない。逆に大きく下げてしまったので、PTの先生がその先の起立姿勢は無理と判断。ドクターストップで今日の歩行訓練は中止となってしまいました。これ、結構凹みました。一般病棟への移動自体がなくなったわけではないんですが・・・。

 

急遽ベッドでの移動に切り替えなければならなくなったので、看護師さんたちが大忙し。ごめんね。俺のせいで・・・。一般病棟から私のベッドがICUに運ばれてきて、私はベッドからベッドへ這いつくばって移動。そのベッドごとエレベータに乗って3日ぶりに自分の病室へカムバックしました。やれやれだわ。一般病棟の看護師さんたちもなんだか懐かしい。たった3日ぶりだけど。そして、まだ知らない人いっぱいいるけど。

 

帰ってきて早々、またまたきました体拭き&お下の洗浄。前日ICUで右のお腹が過敏になっていることを伝えて、その場にいた生き証人である実習生にも同意を求める。正直お腹付近には触って欲しくなかったから、前日のように無難なところだけ拭いてくださいと訴えました。ただお下の洗浄はおしっこの管が入っているので衛生上しっかり看護師がやらないといけないんだってさ。

 

腹をくくって受け入れましたが、前日より過敏度はさがっていました。実習生とも、「昨日よりはましになったかもね」なんて話していました。(それでもまだ普通にはさわれないけどね。)やっぱり術後の苦痛は耐えれば回復に向かうものなんだなと実感。よしよし。

 

そして午後。この日担当の看護師さんが、「歩いてみますか?」と打診してくれました。オォ、午前のリベンジってことね。やりますとも。

 

看護師さん二人がかりでサポート。今度は血圧も大丈夫そう。よし、いくぜ。点滴棒にたくさんの容器を積んで、それらが体内に刺さっている管と繋がっている。ようやく全体像が見えた気がする。なるほど。

 

歩くスピードは相当遅いけど、しっかり歩を進めていくと、看護師さんは「安定しているから一人で大丈夫そうですね」とまさかの単独訓練へ。まぁ、前日のようにPTの先生に支えてもらってなんとか歩いてるわけじゃないし。逆に、一人で歩けるくらいまで回復しているよ、と言われた気がして、気分を良くしていました。

 

調子に乗って病棟の廊下を何度も往復。遅いながらも5往復目にさしかかったところで、看護師さんが遠目に私の姿を見て「あ!」と驚きの声。後ろに妻が立っていました。本当は面会させちゃいけないんだけど偶然出くわしちゃった、っていう意味の「あ!」だったんだと思います。

 

もちろん機敏に動けない私は遠目のまま、無言で親指を立てて「元気だぜ」のアピール(昭和か!)。妻はいつかのように一言だけ「頑張ってね」。携帯をはじめとした貴重品たちは、担当の看護師さんが預かってくれてました。コロナ禍の入院はシビアだし、滅多に面会できないけど、ある意味こうやって会える時間が限られているから貴重なのかもしれないなんて思ってしまいました。

 

久々に手元に戻ってきたスマホ。外界と繋がれる。病室にテレビはあるけど、有料なんだよね。すでに有給も底を尽き、無給で会社を休んでいる身としては、余計な出費は避けなければならないんです。

 

問題はパケット量だね。当然病棟にWi-Fiは飛んでないから動画なんて見てたらあっという間に上限に達し速度制限だ。その辺を頭にいれて使わないとな。まずはAmazon Musicに入ってるダウンロード済み音楽から。うん。快適。

 

夕方の回診で主治医にはたくさん歩いたことをドヤ顔で報告。またまたすばらしいとほめられ調子にのる。そしてお腹のストマにも変化が。排便してるとのこと。おー。確かに。やっぱりここから排便するのね。不思議な気分。主治医曰く、術後はなにも食べてないので術前に食べたものでしょう、と。ラーメンか、プリンか。(笑)

 

一日の最後に今日のできごとを妻にLINE。今日会ったばっかりだけど会話は交わしてないからね。そしたら娘からもメッセージもらった。もちろん妻のアカウントのまま、娘が入力した文章ね。これは嬉しいね。スマホ戻ってきてよかった。

 

 

9月26日 術後3日目 ストーマ初対面

朝一、主治医が巡回にこられた。土曜日なのに朝早い。ありがたいこっちゃ。今日は色々と変化があるらしい。

 

まず一つ目。手術以来ずっとついてる麻酔の痛み止め。看護師さんが「エピ」って呼んでるやつ。糸のような細っそい線が背中を通ってるんだって。今までその線の存在を感じることはなかったけど効果はそれなりにあって、手元のスイッチ押して助けてもらったことはあった。これを取り外すんだってさ。結構重宝してたのにまじか。あとで外科医師団の回診のときに外される算段になってるそうな。その代わり、飲み薬の痛み止を手術前に使ってためちゃくちゃ強いやつに戻してくれるとのこと。先生優しい。ありがとう!

 

もう一つ。薬が増えるらしい。漢方だって。腸の働きを活発にするためだって。一回二包。二包も!?漢方苦手なんだよね。。。

 

最後に主治医に一つ質問された。「空腹感は感じるか?」というもの。難しい質問だね。確かに周りの同部屋患者さんたちが食べてるときの匂いとかで感じなくもないけど微妙だな。。。ありのまま曖昧に回答。そしたら、「様子を見て食べる方も再開していきましょう」とのこと。だよね。ただ、結構この体になったから食べることに対しても少し戸惑いや恐怖があるのは正直なところ。

 

先生が去ってすぐに医師団の回診到着。エピが外される。粘着テープみたいな感じでビリビリ剥がされるだけだから痛みは感じず。その後、薬剤師もきて漢方と新たな痛み止が手元に。手際がよすぎだよ先生。

 

さらにこの日は午前中、日勤の看護師さんに変わってから、色々とケアしてもらいました。術後初めての洗髪はすごい気持ちいい。実は昨晩頭が痒くて抜け毛もひどかったところ。前屈みの姿勢はお腹のドレーンが気になって仕方なかったけどね。

 

そして、排便のあったストーマ。装具の交換も実施。人工肛門指導室?みたいな個室もあって、そちらで初めて装具がついてないストーマとまじまじ対面。

 

ってか、まず装具を外した瞬間、自分の排便の臭いにショック。当たり前だけど、なぜか自分のなかではそんなに臭わない設定になってたから、思いの外びっくりしたわけ。勝手だね。

 

目の前に現れた剥き出しのストーマは、単刀直入にグロい。術後でかなり浮腫んでるらしいからもう少し小さくなるらしいんだけど、想定よりもでかくて赤い。粘膜のような液体もまとってるし、ホラー映画とかに出てきそうな内臓さながら。これがずっと俺の身体についたたままなのかと思うと、決して前向きにはなれないね。

 

触られても神経は通ってないので、なにも感じない。見た目触られたら痛そうなのに。看護師さんに泡で洗ってもらう。不思議な気分。そして、新しい装具をつけてもらう。これを二日ごとに繰り返すんだよね。退院までに自分で付け替えられるようにならなければ。。。

 

身体も装具もすっきりして病室へ戻りながら少し回復を感じたのは、気分的なものもありそうだね。と思ったら、不意打ちの咳払い一発で腹に激痛。くそ。回復への道はそんなに甘くない。

 

部屋に戻りもらったばかりの漢方を飲む。以前、漢方は蒸せるくらい不味いのを経験してたのでめちゃくちゃ警戒してましたが、今回は普通に飲める。これなら二包でも問題ないし、続けられそう。よかった。

 

夜は嫁にストーマの印象をLINEで伝えました。グロいよ、と。そして普通に臭いよ、と。だからびっくりしないでね、と。そしたら、ネットで画像見てるから大丈夫とのこと。ほんまかいな。

 

9月28日 術後5日目 食事再開

術後4日目を飛ばしたのは何もなかったから。日曜日は回診もない。だから目に見えて前進した実感もないんです。これって実は地味にこたえる。何もないまま一日が終わってしまった的なね。。。たくさん廊下を歩いたけどただそれだけ。やっぱり頑張った分だけ結果がほしいのよね。

 

それで迎えた術後5日目。早速主治医の回診。いつも朝早い。そしたら今日はドレーンを一本抜くと言う。おー!まじか。この邪魔くさいドレーンを抜いてくれるのか!これはでかい。日曜の停滞も一気に取り返せるくらいでかい。エピと同じように、外科医師団の回診で外されるらしい。よしよし。

 

ん?どうやって外すんだ?これ。ただ管が刺さってるだけだよね。すぐスマホで検索。抜糸して管を抜くだけらしい。う~ん。痛いのかなぁ。怖いなぁ。まるで小学生のように怯える私。そうこうしてるうちに医師団到着。腹をさらけ出すと早速ドレーン除去。何されてるか全く見えなかったけど、結構痛ぇじゃねぇか。早く終わってくれ~と祈ろうとした瞬間に「終わったよ」と。お、おぉ。

 

2本あったドレーンのうち、より痛みを誘発していた1本が抜けたっぽい。たぶん、こいつがどこか骨盤の一部に触れてたんじゃないかと。抜けたあとの動きが一気に滑らかになった。これは歓喜だ!前進した感がハンパない。よしよし。調子にのって廊下の歩行もスピードが上がる。実習生もびっくり。ドレーンさえなければ俺はもう普通に歩けるのさと言わんばかり。まぁ、実際はそこまで甘くないんだけどね。

 

この一大イベントが終わったあと、また体拭きとお下のケア。今日は実習生も手伝うらしい。なんかこんな汚いおっさんの体を拭かせてしまい申し訳ない。ただやっぱり手術直後の私の過敏な反応を見てるから隅々まで拭くのには抵抗があったみたい。さっきドレーン抜いたおかげでだいぶ改善してるんだけどね。

 

気がつくと昼時。いつも通り周りで食事が配膳されて、皆が食べ始める音がする。そしたら、一拍遅れて私のもとにも食事が運ばれてきた。え??手配ミス?!いやいや!運んできたのは今日の私の担当看護師さん。「先生も急ぎましたよね~」って、おいおい、先生の指示か~い!朝何も言ってなかったけど。。。いきなり五分粥。固形食。以前看護師さんからは最初、ジュースみたいなやつから始まると聞いたのに、ばっちり飛び級してやがるぜ。看護師さん曰く、明日には通常のお粥になるらしい。一気に進むね~。それくらい回復が順調ということでよいのかな。気分は悪くない。(笑)

 

そこに、再度実習生が現れた。純粋無垢で必死な彼女は翌日のケアの相談に夢中。たぶん無礼がないよう私しか見てない。どうやら明日は彼女が洗髪してくれるらしい。ただ彼女は最後まで目の前の違和感に気づかない。しびれを切らした私が「急に飯が始まってさぁ」って食事に目配せすると彼女もびっくり。

 

自分としてはこの体になってから初の食事。結構怖いんだよね。ちゃんと消化されるのか、そして普通に排便されるのか。。。まぁ、そんな本音の弱音を十代の若者に吐露してしまったよ。ひとまず実習は午前までなので実習生の彼女はいそいそと戻りました。

 

さてと。まず、どういう姿勢で食べようか迷う。手術以来、お尻の痛みは続いているから座っているのもつらい。持参した円座クッションはあるけど気休めでしかない。ひとまず立ったまま食す。

 

びびりながらも、恐る恐るお粥を口に運ぶ。必要以上に咀嚼して内臓への負担を和らげる。ちゃんと消化してくれ。手術前日以来、6日ぶりの食事だけど味わう余裕なんてありません。もはや消化のために噛み砕いて飲み込む儀式。ひとまず怖いので完食はせずに半分くらいでやめといた。

 

食ったらすぐ横になるのはなんとなくよくない気がしたけど、すぐ歩くのもどうかと。座ってられない自分はひたすら直立不動で窓の外を眺めながら食後の10分ほどを過ごしました。あ、歯ブラシしてればいいじゃん!当たり前のことにようやく気づく。歯ブラシ後、少し廊下を歩く。腹が少し痛いか?気のせいだといいけど。

 

病室に戻ると、点滴が切れてることに気づいた看護師さんが交換しなきゃと言ってくれた。。。。が、すぐに「あ、食事始まったからもういらないね」と言い直された。そうか。この点滴ともおわかれできるのか。それはでかい。まぁ、ドレーンと繋がってる容器やおしっこの容器はまだあるので、点滴棒とはおわかれできないんだけどね。

 

夕方、主治医の回診。「夕飯から食事が始まります」って。。。先生、昼から始まってますけど。(笑)  「あ!間に合ったんだ」って、やっぱりギリギリのオーダーだったのね。まぁ、頑張って食べて回復します。経過は至って順調らしい。あとのリスクは腸閉塞と排尿障害(自力で排尿できるか)だそう。なんとか乗り越えましょう。後者は自分ではどうにもできそうもないけど。

 

夕飯も食べて家族とLINE。月末が迫り、高額医療の上限額認定の書類がギリギリになりそうでそんな事務的な話や、娘の習い事の進級テストの話なんかをしてました。

 

あとは寝るだけというところで、ちょっと身体が痒かったので、偶然カバンに入ってた体拭く用のウェットシートみたいなやつで体を拭いてみた。デリケートゾーンはやはり少しぬるっとしていて、汗がたまってる感じ。実習生の遠慮の跡だね。運良くこのシート持っててよかった。

 

9月29日 術後6日目 お尻の痛み

術後6日目は特段何もなし。実習生に洗髪してもらったのと五分粥が普通のお粥になったのと、ただひたすら廊下を歩いたことくらいかな。食事開始2日目だからストーマからの排便はまだなし。

 

前日気のせいかと思ってたけど、やはり食後のお腹が地味に痛む。おへそのあたり。私の推測では、食事を始めてからの症状なので、胃袋の重みでお腹のインナーマッスルに引力が働いておへその手術傷に影響があるのではないかと。そんなこと本当にあるのかわからないけど。

 

術後6日目というのになかなか回復が見られないのがお尻の痛み。手術直後の激痛から痛み止のお薬でかわし続ける日々。これほんとに治るのか?極力座りたくないので、病棟では廊下を歩いてるか病室のベッドに横になってるかどっちかしかない。看護師さんたちからは、熱心にリハビリ頑張ってる患者さんと思われてるけど、その実、座ってられないから歩いてるだけなんだよね。

 

よく回診ではお尻の傷も診られる。きれいですね~って言われるけど実際目にすることはないのでよくわからない。順調じゃないと膿とかが出るらしい。順調ならそれに越したことはない。興味本位で自分で触ってみると、もはや自分の尻ではないような感覚。ゴツゴツ縫合されてる感じは少しわかる。これ、気にならないくらいに回復するのかな。

 

今日はなにも変化なしかな、と思ってたら、日勤の看護師さんに明日の予告を聞かされました。明日、全部管が抜けるらしい。お腹のドレーン1本とおしっこの管。つまりこれらの管に繋がってる容器もいらなくなるから、それらを運ぶための点滴棒ともお別れだ。身一つで歩ける。

 

管が全部抜けたあとの身体を想像するだけで楽しみだけど、抜くのも怖い。ドレーンは1本目抜いたときもそこそこだったし、おしっこの管は生検のときのトラウマが。。。一抹の恐怖。(笑)

 

で、ここからはまじめな恐怖。手術前から主治医に聞かされてた排尿障害のリスク。骨盤内には自律神経が多いから、直腸周辺のリンパ節も取り除いたことで、排尿に影響がある可能性があるそう。最悪自力で排尿できない可能性もあるそうです。

 

ICUにいるときから、排尿の量は人並み以上に多かったようで、よく看護師さん同士が引き継ぎで言及してました。だから私もあまり心配してなかったのですが、いざ管を抜くとなると、果たして自力で排尿できるのか?という不安に襲われます。逆にここがクリアできていれば、今回の手術は大成功ってことなんだけどね。

 

9月30日 術後7日目 ドレーンフリー

今日は朝一で採血、順番が来次第レントゲン。ここで最大の合併症リスク、腸閉塞の可能性を探る。その後回診の医師団にドレーンを外してもらい、看護師さんにはおしっこの管を外してもらう。盛りだくさんだ。

 

レントゲンは1階までエレベーターでおりるので、外来の患者さんでエントランスがそこそこ混雑してるのを目にして少し懐かしかった。検査自体はあっという間。ただお尻が痛いから寝っ転がるのは結構大変だし、まだ管も刺さってるから動作がおっかなびっくり。無難な検査結果を祈ろう。

 

病室に戻って、今度はドレーン除去。回診の医師団がお腹をはだける。かなり身構えましたが、思いの外、痛がることなく終了。あれ?やっぱり1本目が変なところに刺さってて無駄に痛かっただけなのではないかという疑惑が出てきた。(笑) 

 

しばらくして看護師がおしっこの管を抜きにきた。トラウマに怯えてる中、目の前に現れたのは、トラウマになったときと同じ看護師さん。まじか。一応前回、痛かったことを伝えて少し丁寧に管を外してもらうよう導く。頼むぜ。「じゃあ外しますね」前回とあまり変わらぬ勢いで抜管。構えた私は一瞬の痛みに耐えてなんとかのりきった。生検のときよりは全然まし。自分が心の準備できてたのが大きいし、身体もこの痛みに慣れてきたのかもしれないな、なんて。

 

これで管が全て抜けました。点滴棒はもうさよなら。身軽だぜ。もちろんドレーンが刺さってた傷口は痛むけど、それは仕方あるまい。最後に看護師さんから排尿の計量と記録の指示がありました。なんとトイレに私専用のおしっこ計量カップが置かれるようです。そこまでやるってことはやっぱり重要な問題だからよね、と勝手に納得。

 

結局昼過ぎに一回目の排尿。生検のときは管を抜いて丸一日、排尿時に結構な痛みがあったんですが、今回はさほどでもない。やっぱり自分の身体が慣れたのか?排尿時、何となく感触は術前と少し違う気もするけど、計量カップへの微妙なコントロールも含めて自力で排尿できてる!初回は大量の300ml 超え。相変わらずの大量排尿は続いてるっぽい。こんな感動的なおしっこがあっていいものだろうか。これだけでも手術大成功と言って言い気がする。自律神経は無事だったよ、先生ありがとう。

 

昼飯前には身軽になったこともあって術後初めてのシャワーへ。すげーすっきり。ずっとお尻が痛いのでお湯がしみるのかと思ってたけど、まるでしみない。ドレーンの傷は多少気になるくらい。だんだん術前の生活が戻ってきたよ。

 

その後昼飯を終え、妻と連携。自宅に届いたばかりの高額医療の上限額認定書類を持って妻がきてくれることになった。事務手続自体は病棟に来る必要はないんだけど、どうせならと必要な物資のお届けに来てくれるらしい。おぉ。盛りだくさんが続く。面会はできないだろうけど。

 

午後、この日はオペの患者さんが多いようでフロア全体慌ただしい。そんな中、妻が到着したとLINEが入る。看護師が案内するからと待たされてるらしいが、まるで案内されないそうだ。みんなめちゃ急がしそうだったからな。

 

なんだか同じフロアにいるのにLINEでやり取りという変な状況。しびれを切らして私が妻のもとへ向かう。あんまり堂々と面会するのは憚られたので持ってきてくれた衣類やアメニティだけ受けとる。結局看護師の案内はないまま妻は帰っていきました。

 

と、思ったらまた妻から電話。どうやら入院日が祝日だったからスルーしてたけど、正規の入院手続が済んでないから、今から行うように言われたらしい。で、その手続に私が持ってる書類が必要らしい。同意書やらなんやら。これをとりにまた病棟へ戻ると。

 

書類さえ渡せれば用件完了なので、私がエレベーターの前で妻を待ち構える。面会者と接触してるところは目立っちゃまずそうだからな。あっという間に書類の受け渡しを済ませ二度目のさよなら。管が抜けた身軽な姿を見せられてよかったよ。

 

帰宅後、妻から無事手続が完了したと連絡がありました。入院手続はもとより、高額医療の上限額認定は死活問題だから間に合ってよかった。入院前の説明では、保険で3割負担でも結構な額になると聞いていたし、この手続が間に合わないと一度その額を立て替える必要があるんだってさ。既に有給休暇もなく、医療保険にも加入してない身としては、この制度を頼るしかない。

 

夕方、例のごとく廊下を歩いてると、身軽になった私を見て、何人かの看護師さんが話しかけてくれました。すっかり身軽になりましたね!って。いい気分だね~。(単純)

 

主治医の夕方回診では自力排尿の報告。素晴らしいと誉められたけど、まぁ、ここは先生のおかげだからな。一方、食事を開始して3日目になるのに排便がないのは気がかりだと言われた。朝のレントゲンの結果で、腸閉塞の症状もなかったそうだけど。。。今度は、排便を待ち望む形になりそう。術前より排便は不定期だったからな。汚い話ばかりですんません。